宇都宮市・鹿沼市近辺での
『 カウンセリング & 伴走型ソーシャルサポート 』は
一般社団法人 福祉コラボちむぐくる
とちぎステップ家族相談室
〒322-0021 栃木県鹿沼市上野町137-3
JR日光線・鹿沼駅から徒歩3分(JR宇都宮駅から2駅目です)
わたしたちは
ひとりぼっちじゃない。
「不安障害」について聞かせてください。
「不安」とは漠然とした不快な感情で、明確な身体感覚(動悸や息苦しさなど)を伴うことが多いのです。一方「恐怖」は、対象が明確(例えば、犬に噛まれた経験がある人が、「犬に対して怖さを感じ覚える」など)なものに抱く不快な感情を指します。
不安定な状況の中で、人が不安を感じ覚えることは至極自然なことです。しかし、強すぎて、生活に支障が生じる場合は「不安障害」と呼ばれます。
ちなみに、不安障害は、心理的葛藤との関連を重視して以前は「神経症」と呼ばれていました。
アメリカ精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアルの最新版(DSM-5)では、次のように分類しています。
(1) 分離不安症・分離不安障害
家や親など、愛着をもっている人や場所から離れるときに恐怖や不安が生じます。
(2) 選択的緘黙
自宅などでは話すにもかかわらず、話すことを期待される社会的な状況(学校など)において話すことができません。このことによって、学業や教育上の障害が生じる場合があります。
(3) 限局性恐怖症
特定の対象に恐怖を抱き、回避するものを恐怖症と呼びます。恐怖の対象としては、虫や犬や猫などの動物、高所(ビルなど)や閉所(エレベーターなど)、尖ったもの(ナイフ、針など)、雷などの自然現象があります。
(4) 社交不安症・社交不安障害(社交恐怖)
従来、対人恐怖と呼ばれていたものです。
自分の言動、表情、視線などがもとで他人に変に思われたり、悪く思われたり軽蔑されるのではないかと不安になって恐怖感を抱き、そうした社交的状況を回避します。人前に出ると緊張し過ぎて、思うように話ができず、頭の中が真っ白になってどうしたらよいのかわからなくなり、体が震えたり冷や汗が出たりなどの症状が現れます。
(5) パニック症・パニック障害
パニック障害では、目立ったきっかけがないのに、急激な不安に襲われます。不安は強く、激しい動悸、胸の圧迫感、呼吸困難感、めまい、ふるえ、冷汗、手足のしびれ感などの身体症状をともないます。また、過呼吸、過換気がみられることがあります。
上述の発作を「パニック発作」と呼びます。発作は、通常20分から1時間くらいの経過をとります。また、くつろいでいるときや睡眠中といった、きっかけや引き金がないときに起こるもの(予期されない)と、特定の状況で起こるような予期されるものがあります。
(6) 広場恐怖症
もしもパニック様症状が現れたり、何もできなくなった場合、逃げられなかったり助けてもらえなかったりすると状況を恐れます。そうした予期不安のために、公共交通機関、高速道路、渋滞する道路、レストラン、映画館など、自分の自由がきかない場所への外出に対して恐怖が強まります。
広場恐怖の「広場」とは、広い場所という意味ではなく、「公共の場所」を意味します。
(7) 全般不安症・全般性不安障害
身体的な健康、仕事や家庭、異性問題、学業成績など、日常生活全般のさまざまなことについて、過剰に不安や心配を感じます。
当相談室では、「不安障害」に揺れ戸惑うご相談者の「ニーズ(いま、必要なこと)」に適うよう、医療機関などと適切に連携・協働しながら、カウンセリングとソーシャルサポートで伴走しています。
「不安(不安障害)」について考える
引用・参考文献 : ① グレン・O・ギャバ−ド 著(2019)精神力動的精神医学 その臨床実践 第5版(DSM-5®準拠).岩﨑学術出版社.②萱間真美 編(2015)精神看護 第2版.照林社.③下山晴彦 編(2011)よくわかる臨床心理学.ミネルヴァ書房.