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わたしたちは
ひとりぼっちじゃない。
不登校児童生徒はどの位いるのでしょうか。
栃木県内の不登校児童生徒数やいじめの現況などについて教えてください。
文部科学省では、現在、不登校を次のように定義しています。「不登校児童生徒」とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者」との定義です。
欠席は「1日単位」、不登校は「年間30日以上の欠席(病気や経済的な理由による者を除く)」で用いられる用語(概念)です。
2022年10月27日、文部科学省から「問題行動・不登校調査」の結果が発表されました。その結果によると、全国小中学校の不登校児童生徒数は過去最高の24万4940人(小学校:81,498人、中学校:163,442人)、前年度からは24%増加しています。
下野新聞(SOON)が、2022年10月28日付けの記事で次のように伝えています。
2021年度に栃木県内公立小中学校で不登校だった児童生徒は、前年度より24.9%(835人)増えて4188人に上り、過去最多を更新したことが27日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。増加は13年度から9年連続。県教委は「原因は複合的」とした上で、新型コロナウイルス禍での生活リズムの乱れや交友関係構築の難しさなどが、登校意欲の低下につながった可能性があるとみている。不登校は、病気や経済的理由、新型コロナの感染回避を除き、年間30日以上登校していない状態。小学校は1181人(前年度比208人増)、中学校は3007人(前年度比627人)で、中学校の増加が目立つ。コロナ感染拡大前の19年度に比べ、計1081人増えた。主な要因として、「無気力、不安」が最も多く、50.9%(2132人)を占めた。次いで「いじめを除く友人関係」(9.8%)、「生活リズムの乱れ、遊び、非行」(9.4%)が挙がった。
県立校の不登校生徒は763人(前年度比156人増)だった。
なお、栃木県の1,000人当たりの不登校生徒数(2021年度)は、小学校10.0人、中学校46.2人、高等学校14.8人である。
一方、県内国公私立の小中高校と特別支援学校のいじめの認知件数は、前年度比12.5%(570件)増の5146件だった。県教委がまとめた公立校分も12.0%(544件)増の5065件。内訳は小学校3684件(前年度比602件増)、中学校1172件(47件減)、高校・特別支援学校209件(11件減)。いじめの内容は「冷やかし」が2847件(56.2%)で最多。「軽くたたかれる」「仲間外れ」が続いた。前年度、増加が目立った「メール等の誹謗中傷」は287件(5.7%)で微減だった。暴力行為は前年度比33.1%(319件)増の1282件で、小学校での発生が目立った。
県教委はコロナ禍で生活環境が変化したことによるストレスや、教育活動の再開で子ども同士の交流が増えたことなどが一因とみている。
この調査は、2018年10月に中学生年齢の12歳〜15歳合計6,500人を対象にインターネットで行われた調査です。その結果、「年間30日以上欠席の不登校である中学生」は約10万人、「不登校傾向にあると思われる中学生」は10.2%の約33万人に上ることがわかりました。不登校である中学生約10万人は文部科学省が各学校、教育委員会からの回答を基に集計して、毎年実施している調査でも明らかとなっていますが、「不登校傾向にあると思われる中学生の数」はその3倍にも上ること初めて明らかになりました。
まず、この調査の目的を確認しておきます。その目的の一つは、「顕在化していない『学校に馴染んでいない子ども』を『不登校傾向にある子ども』とし、そのボリュームを把握する」こと。二つには、「子どもが学校に馴染まなくなる原因・背景を子どもの本音として集める」こと。以上を目的として行われた調査です。
結果の概要は、次の3つに集約されます。
(1) 不登校傾向にある中学生(年間欠席数は30日未満)は、全中学生約325万人の10.2%にあたる 約33万人で、文部科学省が調査した不登校中学生の数の約3倍。約10人に1人が不登校傾向。
(2) 中学校に行きたくない理由について、身体的症状以外の要因では「授業がよくわからない」 「良い成績がとれない」「テストを受けたくない」など、学習面での理由かがみられた。
(3) 学びたいと思う環境は、「自分の好きなことを突き詰めることができる」場所、「自分の学習のペースにあった手助けがある」場所、「常に新しいことが学べる」場所など。
また、次のことも特記できる結果概要です。
◇ 不登校中学生の中学校に行きたくない『身体的症状の理由』として、「朝、起きられない(59.5%)」「疲れる(58.2%)」「学校に行こうとすると、体調が悪くなる(52.9%)」が挙がっていること(理由TOP10)。
◇ 不登校中学生の中学校に行きたくない「学習面の理由」ならびに「身体症状の理由」以外として、「学校は居心地が悪い(46.1%)」「友達とうまくいかない(46.1%)」「自分でもよくわからない(44.0%)」「学校に行く意味がわからない(42.9%)」「先生とうまくいかない / 頼れない(38.0%)」が挙がっていること(理由TOP10)。
以上、「不登校」の定義や現況についての概要です。
不登校について考える
引用・参考文献 : ① 下野新聞(SOON)2022年10月28日付けの「文部科学省の問題行動・不登校調査」に関する記事. ② 日本財団 不登校傾向にある子どもの実態調査(2018年10月実施)結果.