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「不登校」について考える

C.「不登校」について考える

ご質問&インデックス

  • Q1
    不登校の定義とはどのようなものですか。
  • Q2
    「欠席」と「不登校」の違いは何でしょうか。
  • Q3

    不登校児童生徒はどの位いるのでしょうか。

  • Q4

    栃木県内の不登校児童生徒数やいじめの現況などについて教えてください。

  • Q5
    「不登校傾向にある子どもの実態調査(日本財団)」とはどのような調査だったのでしょうか。
  • Q6
    「不登校傾向にある子どもの実態調査(日本財団)結果」から見えてきたことを簡潔に教えてください。
  • Q7
    文部科学省が毎年発表する「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」で、留意する事柄について聞かせてください。

応答(室長からのメッセージ)

Q1. 不登校の定義とはどのようなものですか。

 文部科学省では、現在、不登校を次のように定義しています。「不登校児童生徒」とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者」との定義です。

Q2「欠席」と「不登校」の違いは何でしょうか。

 欠席は「1日単位」、不登校は「年間30日以上の欠席(病気や経済的な理由による者を除く)」で用いられる用語(概念)です。

Q3不登校児童生徒はどの位いるのでしょうか。

【更新:2024年11月1日】

 2024年10月31日、文部科学省から「問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が公表されました。その結果によると、全国の不登校の児童生徒(小中学校)は11年連続の増加となり、34万6482人(小学校:130,370人・中学校:216,112人)と過去最多を更新しています[児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は37.2人(前年度31.7人)]。また、不登校は、学年が上がるにつれ増える傾向にあり、最多は中学3年生の80,309人で、中学校2年生の77,768人が続きました。高校生は、8,195人増の68,770人という結果でした[1,000人当たりの不登校生徒数は23.5人(前年度20.4人)]。

 また、いじめ認知件数は7.4%(50,620件)増の732,568件で、「重大事態」は383件増の1,306件に上り、何れも最多となりました。

【更新:2023年10月5日】

 2023年10月4日、文部科学省から「問題行動・不登校調査」の結果が公表されました。その結果によると、全国の不登校の児童生徒(小中学校)は10年連続の増加となり、29万9048人(小学校:105,112人・中学校:193,936人)と過去最多を更新しています。また、不登校は、学年が上がるにつれ増える傾向にあり、最多は中学2年生の70,622人で、中学校3年生の69,544人が続きました。高校生は、9590人増の60,575人という結果でした。

 また、いじめ認知件数は10.8%(66,597件)増の681,948件で、「重大事態」は217件増の923件に上り、何れも最多となりました。

 20221027日、文部科学省から「問題行動・不登校調査」の結果が発表されました。その結果によると、全国小中学校の不登校児童生徒数は過去最高の244940人(小学校:81,498人・中学校:163,442人)、前年度からは24%増加しています。

Q4栃木県内の不登校児童生徒数やいじめの現況などについて教えてください。

【更新:2024年11月1日】

 下野新聞が、2024年11月1日付けの記事で次のように伝えています。

 2023年度に栃木県内の公立小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は前年度から13.0%(668人)増え5805人となりました(増加は、2013年度から11年連続です)。小学生1945人(387人増)、中学生3860人(281人増)、高校(公立学校分)は891人(99人減)となっています。また、高校の中途退学者数は393人(公立学校分、割合は1.15%)でした。

 中学生の不登校割合の多い県は、宮城県8.32%、北海道8.07%、島根県7.76%、栃木県7.75%、福岡県7.62%でした。また、少ない県は、福井県4.90%、岡山県4.92%、岩手県5.51%、千葉県5.64%、宮崎県5.60%でした。

 また、小中高校などのいじめ認知件数は865人増の6,183件でした。

 【更新:2023年10月5日】

 2022年度に栃木県内の国公私立小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は前年度から22.6%(953人)増え5167人となりました。小学生1563人・中学生3604人(小中学校合計で5137人、割合は3.60%)、高校(公立学校分、割合は2.92%)は990人となっています。また、高校の中途退学者数は315人(公立学校分、割合は0.90%)でした。

 また、小中高校などのいじめ認知件数は4.3%(226人)増の5372件で、身体的被害や長期欠席などが生じた「重大事態」は26件と報告されています。

 下野新聞(SOON)が、20221028日付けの記事で次のように伝えています。

 2021年度に栃木県内公立小中学校で不登校だった児童生徒は、前年度より24.9%(835人)増えて4188人に上り、過去最多を更新したことが27日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。増加は13年度から9年連続。県教委は「原因は複合的」とした上で、新型コロナウイルス禍での生活リズムの乱れや交友関係構築の難しさなどが、登校意欲の低下につながった可能性があるとみている。不登校は、病気や経済的理由、新型コロナの感染回避を除き、年間30日以上登校していない状態。小学校は1181人(前年度比208人増)、中学校は3007人(前年度比627人)で、中学校の増加が目立つ。コロナ感染拡大前の19年度に比べ、計1081人増えた。主な要因として、「無気力、不安」が最も多く、50.9%(2132人)を占めた。次いで「いじめを除く友人関係」(9.8%)、「生活リズムの乱れ、遊び、非行」(9.4%)が挙がった。

 県立校の不登校生徒は763人(前年度比156人増)だった。

 なお、栃木県の1,000人当たりの不登校生徒数(2021年度)は、小学校10.0人、中学校46.2人、高等学校14.8人である。

 一方、県内国公私立の小中高校と特別支援学校のいじめの認知件数は、前年度比12.5%(570件)増の5146件だった。県教委がまとめた公立校分も12.0%(544件)増の5065件。内訳は小学校3684件(前年度比602件増)、中学校1172件(47件減)、高校・特別支援学校209件(11件減)。いじめの内容は「冷やかし」が2847件(56.2%)で最多。「軽くたたかれる」「仲間外れ」が続いた。前年度、増加が目立った「メール等の誹謗中傷」は287件(5.7%)で微減だった。暴力行為は前年度比33.1%(319件)増の1282件で、小学校での発生が目立った。

 県教委はコロナ禍で生活環境が変化したことによるストレスや、教育活動の再開で子ども同士の交流が増えたことなどが一因とみている。

Q5「不登校傾向にある子どもの実態調査(日本財団)」とはどのような調査だったのでしょうか。

 この調査は、201810月に中学生年齢の12歳〜15歳合計6,500人を対象にインターネットで行われた調査です。その結果、「年間30日以上欠席の不登校である中学生」は約10万人、「不登校傾向にあると思われる中学生」は10.2%の約33万人に上ることがわかりました。不登校である中学生約10万人は文部科学省が各学校、教育委員会からの回答を基に集計して、毎年実施している調査でも明らかとなっていますが、「不登校傾向にあると思われる中学生の数」はその3倍にも上ること初めて明らかになりました。

Q6「不登校傾向にある子どもの実態調査(日本財団)結果」から見えてきたことを簡潔に教えてください。

 まず、この調査の目的を確認しておきます。その目的の一つは、「顕在化していない『学校に馴染んでいない子ども』を『不登校傾向にある子ども』とし、そのボリュームを把握する」こと。二つには、「子どもが学校に馴染まなくなる原因・背景を子どもの本音として集める」こと。以上を目的として行われた調査です。

 結果の概要は、次の3つに集約されます。

(1) 不登校傾向にある中学生(年間欠席数は30日未満)は、全中学生約325万人の10.2%にあたる 約33万人で、文部科学省が調査した不登校中学生の数の約3倍。約10人に1人が不登校傾向。

(2) 中学校に行きたくない理由について、身体的症状以外の要因では「授業がよくわからない」 「良い成績がとれない」「テストを受けたくない」など、学習面での理由かがみられた。

(3) 学びたいと思う環境は、「自分の好きなことを突き詰めることができる」場所、「自分の学習のペースにあった手助けがある」場所、「常に新しいことが学べる」場所など。

 また、次のことも特記できる結果概要です。

◇ 不登校中学生の中学校に行きたくない『身体的症状の理由』として、「朝、起きられない(59.5%)」「疲れる(58.2%)」「学校に行こうとすると、体調が悪くなる(52.9%)」が挙がっていること(理由TOP10)。

◇ 不登校中学生の中学校に行きたくない「学習面の理由」ならびに「身体症状の理由」以外として、「学校は居心地が悪い(46.1%)」「友達とうまくいかない(46.1%)」「自分でもよくわからない(44.0%)」「学校に行く意味がわからない(42.9%)」「先生とうまくいかない / 頼れない(38.0%)」が挙がっていること(理由TOP10)。

 以上、「不登校」の定義や現況についての概要です。

Q7.文部科学省が毎年発表する「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」で、留意する事柄について聞かせてください。

【更新:2024年11月1日】

 自殺(自死)の問題です。2023(令和5)年度は、小・中・高等学校から報告(文部科学省)のあった児童生徒数は397人(警察庁調査では525人で過去最多)となっていることです(少子化を考慮した自殺率にすると過去最多です)

 その背景状況(複数回答可)としては、「不明」が最も多く、他に、「家庭不和」「精神障害」「父母等の叱責」「進路問題」「友人関係(いじめを除く)」「えん世」「学業等不振」「恋愛関係での悩み」「病弱等による悲観」「いじめの問題」などが続いています。

 この「不明」というところに、当相談室は着目しています。それだけ、子どもから発せられるメッセージ(家族は家族成員一人ひとりのコミュニケーションの連鎖で構成されるとの立場を当相談室はとっています)の読み取りには、慎重で丁寧な姿勢が求められるのだと考えます(一例として、『「不登校とそのケア」について考える際、大切な視点を教えてください』を一読ください)。

*2014年〜2023年、10代の自殺(自殺)だけが突出して増え続けているのが特徴です。

 自殺(自死)の問題です。2022(令和4)年度は、小・中・高等学校から報告(文部科学省)のあった児童生徒数は411人(警察庁調査では514人で過去最多)となっていることです。

 その背景状況(複数回答可)としては、「不明」が最も多く、他に、「家庭不和」「進路問題」「父母等の叱責」「友人関係(いじめを除く)」「精神障害」「学業等不振」などが続いています。

 この「不明」というところに、当相談室は着目しています。それだけ、子どもから発せられるメッセージ(家族は家族成員一人ひとりのコミュニケーションの連鎖で構成されるとの立場を当相談室はとっています)の読み取りには、慎重で丁寧な姿勢が求められるのだと考えます(一例として、『「不登校とそのケア」について考える際、大切な視点を教えてください』を一読ください)。

不登校について考える

引用・参考文献 : ① 下野新聞(SOON20221028日付けの「文部科学省の問題行動・不登校調査」に関する記事. ② 日本財団 不登校傾向にある子どもの実態調査(2018年10月実施)結果. ③下野新聞2023年10月5日付けの「文部科学省の問題行動・不登校調査」に関する記事. ④栃木県2023年10月5日発表「令和4(2022)年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(本県公立学校分)」についてのHP資料. ⑤文部科学省2023年10月4日発表「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」についてのHP資料. ⑥警察庁2023年6月28日発表「こどもの自殺対策緊急強化プランの策定」についての通達資料.⑦文部科学省2024年10月31日発表「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」についてのHP資料.⑧下野新聞202411月1日付けの「文部科学省の問題行動・不登校調査」に関する記事.⑨栃木県2024年10月31日発表「令和5(2023)年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(本県公立学校分)」についてのHP資料.

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