宇都宮市・鹿沼市近辺での
『 カウンセリング & 伴走型ソーシャルサポート
一般社団法人 福祉コラボちむぐくる

とちぎ家族相談室

〒322-0021 栃木県鹿沼市上野町137-3

JR日光線・鹿沼駅から徒歩3分(JR宇都宮駅から2駅目です)

わたしたちは
ひとりぼっちじゃない。

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当相談室で用いるサポート用語の解説

ご質問&インデックス

  • Q1
    「ソーシャルサポート」の意味と内容について知りたいです。
  • Q2
    「環境の調整」とはどのようなことを指すのでしょうか。
  • Q3

    「伴走型支援(伴走型ソーシャルサポート)」について教えてください。

応答(室長からのメッセージ)

Q1. 「ソーシャルサポート」の意味と内容について知りたいです。

 例えば、「ご家族のこと」の問題で、ご本人はご来談できず、ご家族の方のみがご来談いただいたとします。ご本人のご意向を十分尊重しつつ、ご来談されることが困難なご本人とも、専門スタッフ(カウンセラー&ソーシャルワーカー)として「基本的な信頼関係の育み(安全が保障される専門スタッフとの関係の中での“安心感の育み”)」をあせらずに目指します(数年単位の時間が必要な場合もございます。あせらない、そしてご家族で抱え込み過ぎないことが大切です。まずは、「風とおしのよい家族関係・関係性」を目標とします)。その関係の中で、ご本人にとって、「今、必要なこと」を共に整理しご提案などさせていただきます。そして、精神科病院や精神科クリニックなどの受診をご提案し、同行支援(専門スタッフが医療機関にサポートしつつ同行するなど)に繋がる場合もあるのです。当相談室のソーシャルサポートは、伴走型支援の理念を礎とし、社会的孤立に対応する「つながり続けること」を目的とする支援です。当然、ご家族とも「つながり続けること」の中で環境の整理を含めた「今、必要なこと」を共に整理しご提案させていただきます(例えば、「障害年金・特別障害給付金」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」「医療費助成制度(自立支援医療)」などの申請のご提案やご記載される場合の留意点のサポートなど)。その意味で、当相談室が使いますソーシャルサポートの意味は、直面される問題の解決を、「医・衣・職・食・住・友・遊」の保障と安定化を適えることとを並行して行うことと言い換えることもできます。

 また、「暴力の問題」や「依存症にまつわる借金の問題などへの対応の仕方のサポート」など、「危機介入(初期介入)」ではスピーディーでタイムリーな対応をいたします。こうした「危機介入(初期介入)」も、ソーシャルサポートに含まれます。

Q2. 「環境の調整」とはどのようなことを指すのでしょうか。

 当相談室で用いております「環境調整」とは、次のように喩えることができます。ご自身やご家族のことの問題で立ちすくむご相談者自身が、冬の寒さをしのぐための必要な暖房器具や燃料の調達のことを危惧していたり健康的な毎日の食事にとても関心を向けられる状態でなかったりした場合などの状況では、その直面する生活(暮らし)上の問題を先ず持って解決しなければ対話によるカウンセリングをスタートしてもなかなか前には進めません。進むためには、まず、健康的な食生活の習慣化の育みの支持と、適切な暖房器具の確保をし、燃料の調達をすることなどへのサポートが先決です。まさにここでの「食事・暖房器具・燃料」などが、個人が暮らし(生活)し生き抜くための不可欠な環境の構成要素になるわけです。ご相談者の問題解決を進める際にも同様で、「生活(暮らし)」を構成する『医・衣・職・食・住・友・遊』という欠かせない視点を『環境の調整』の軸点としています。具体的には、軸点各々を、次のように紹介することもができます。まず、「医療(医)」が適切に確保されているか、歯科などを含め適切に受診できているかなどです。次に、「身支度(衣)」が適切に出来ているか、洗濯などに困難さを感じ覚えていないか、床屋や整容などもセルフケアのための頻度が確保できているかなどです。そして、「仕事(職)」が安定しているのか否か、先行きの経済的不安などを抱えすぎていないか、仕事量が適切か否かなどです。同様に、「食事(食)」を健康的に取れているか否か、そもそも作り食べ片付けることに困難を覚えていないかなどです。また、「住まい(住)」は適切に管理されているか否か、住み続けることに関する先行きの心配はあるか否かなどです。さらに、「他者の関心の輪(友)」から脱落していないか否か、問題を抱える現状を支持的に理解してくる他者の存在があるか否かなどです。最後に、「気分転換(遊)」する自分なりの方法を知っているか否か、日常の中で適度に気分転換ができているか否かなどです。ここは、臨床ソーシャルワークやリハビリテーション臨床がより重視し得意とするサポートの視点でもあります。

 当相談室では、こうした「環境の調整」をも重視し、ご来談者と共に整理し必要なアプローチをご提案させていただきます。

Q3「伴走型支援(伴走型ソーシャルサポート)」について教えてください。

 『伴走型支援』とは、生活困窮者に対する支援の中から生まれ育まれた言葉(概念)です。ここでの「生活困窮」とは、お金がない、家がない、食べ物や衣服がないといった「経済的困窮」だけを指すものではありません。困っていても誰からも助けてもらえない、いや、そもそも他者や社会の関心の眼差しから排除されたり参加を拒まれたりする状態である「社会的孤立」がそこに重なり、悪循環となり、その悪循環が止まらない状況のことなのです。その結果、その悪循環は、「心身の健康や意欲」をも奪っていくわけです。こうした状況が、『8050(ハチマルゴーマル)問題』と重ねられ、より危惧されているのです。すなわち、ひきこもりがちな中年世代の子(50代)が高齢化する親(80代)と同居する中で、親が自身の病気などにより入院や介護が必要な状態となった途端、子の経済的困窮・社会的孤立などの問題が急浮上し、立ち行かなくなってしまう深刻な事態を指しているのです。このことを防ぐには、従来の『問題解決型支援』、例えば、「アルバイト就労が出来るようになった=支援の終了」との図式では立ち行きません。なぜなら、「アルバイト就労が出来るようになった=自立」は、支援者などからの関心の外に置かれてしまいます。その結果、アルバイトで挫折し、上手くいかない状況に陥ってしまったとしても、支援者のみならず他者からも気づかれません。今まで以上にひきこもる状況(社会的孤立感の増大)に陥ってしまうわけです。「助けて」と言えればいいのですが、そもそも何に困っているのかもよくわからない上、「助けて」などと他者に援助を求めた経験などないので尚更です。そこで、必然的に生まれた支援の視点が『伴走』です。『伴走型支援』は「解決」という結果ではなく、「つながり」という「状態」を重視します。どうであれ「生きてつながること」に最大の価値を見出します。たとえ拒否されても、こちらは「つながり」をあきらめない。社会的孤立状態にあるご本人に、『親密な他者たる立場から関心を持ち、その関心をメッセージとし送り続けること』と言い換えることもできます。そうした「関わり(つながり)の礎」には、『いのち』や『存在』という普遍的な価値に対する人間としての真摯な姿勢であり眼差しがあります。

 当相談室では、「ひきこもり、ニート、不登校にまつわる問題」に留まらず、「子育て・子どもを巡る親子関係や家族関係の問題」「アディクション(嗜癖)・依存症・使用障害にまつわる問題」「メンタルヘルス(精神疾患、抑うつ、トラウマなど)の問題」「夫婦・パートナー・カップルを巡る問題」「対人関係・人間関係にまつわる問題」「機能不全家族[アダルト・チルドレン(AC)やヤングケアラー、宗教2世など]を出自とする生きにくさや生きづらさの問題」「自分自身の性格や特性を巡る生きにくさや生きづらさの問題」「シングルとしての生きにくさや生きづらさにまつわる問題」など全ての“カウンセリングとソーシャルサポート”に、この『伴走型支援の思想(考え方)・哲学(生き方)』を重ねつつ、『問題解決型支援(問題解決型ソーシャルサポート)』ならびに『伴走型支援(伴走型ソーシャルサポート)』を実践しています。

 

引用・参考文献 : 奥田知志・原田正樹 編(2021)伴走型支援ー新しい支援と社会のカタチ.有斐閣.

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