宇都宮市・鹿沼市近辺での
『 カウンセリング & 伴走型ソーシャルサポート
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とちぎ家族相談室

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「トラウマ」を考える

B.「トラウマ」を考える

ご質問&インデックス

  • Q
    「トラウマ」ってなんですか。

応答(室長からのメッセージ)

Q. 「トラウマ」ってなんですか。

 「トラウマ」とは、心的外傷のことです。自分自身の対処能力を超えた、逆境体験(地震・津波・台風などの自然災害、虐待・いじめ・犯罪・暴力・交通事故など生命の危機に関わる体験、重い病気やけが、家族や友人の死、別離などの喪失体験)によりもたらされます。「トラウマ」が注目されるようになったのは、第一次世界大戦迄遡ります。戦争からの帰還兵に、共通の異変(現在トラウマ症状と理解されている諸症状)が見られ、当時は、「シェル・ショック(砲弾の炸裂によるショック症状)」と呼ばれていました。時が流れ、1964年から約10年を超え続いたベトナム戦争。この戦争でも帰還兵の多くに共通の異変が見られ、街は帰還兵たるホームレスで溢れかえったのです[あまり知られていませんが、この際のホームレスの処遇対策で生まれたのが生活技能訓練(Social Skills TrainingSST)です]。この時、この共通の異変に、「精神医学の診断(名)」が初めて与えられたのです(米国精神医学会による精神疾患の診断と統計のためのマニュアル第Ⅲ版、DSM-Ⅲ)。その診断名こそ、「心的外傷後ストレス障害(Post-traumatic stress disorderPTSD)」でした。そもそも「トラウマ(trauma)」は、古代ギリシャ語で傷を意味し、フランスの精神科医ピエール・ジャネが1887年に「心的外傷」の意味で用いたことが始まりとされてもいます。現在、PTSDは、疾病概念をブラッシュアップさせつつ、以下の4症状で整理され理解されています。

<トラウマによる特徴的な症状(PTSD症状)>

(1) 再体験症状

  トラウマとなった出来事を急に思い出す(フラッシュバック)、 悪夢をみる

(2) 回避症状

  その出来事を思い出させるような場面、場所、人などを避ける

(3) 認知・気分の変化

  楽しいと感じられない、否定的な考え、興味の喪失、孤立感

(4) 過覚醒症状

  寝付けない、小さな音にビクッとする、警戒心が強い、注意・集中力がなくなる、怒りっぽくなる

  上記の4症状が1ヶ月以上続くと、PTSD(外傷後ストレス障害)とみなされます。また、1ヶ月未満で4症状が消退した場合、ASD(急性ストレス障害、acute stress disorderASD)とみなされます。

 また、2020年に、世界保健機関(WHO)が発効した「国際疾病分類第11版(ICD-11)」で、「複雑性心的外傷後ストレス障害(Complex post-traumatic stress disorder)」の診断概念が出されました。これにより、「単回性(1度の逆境体験、例えば、交通事故など)のトラウマ」から引き起こされるPTSDと、「持続的、反復的(蓄積された逆境体験、例えば、虐待やいじめなど)なトラウマ」から引き起こされるCPTSD(複雑性PTSD)を区別するようになりました。複雑性PTSDは、次のような特徴で理解されています。

<複雑性PTSD

 トラウマとなるような体験(虐待やいじめなど)が繰り返されると、複雑性PTSDになることがあります。前述のPTSD症状に加えて、「感情コントロールの障害(例:感情が不安定)」、「対人関係の障害(例:人とうまく付き合えない)」、「否定的自己認知(例:自分には価値がない)が見られます。

 また、具体的に見られる行動には、次のようなものがあります。

◇人を信用しない、疑い深い  ◇人と関わるのを嫌がる  ◇笑い(怒る)声や物音、臭いに敏感  ◇感情の波が大きい  ◇人の顔を覚えられない  ◇些細なことにこだわる  ◇自暴自棄的な行動、自傷行為  ◇すぐ爆発する  ◇物忘れが多い、呆然としている  ◇好き嫌いが激しい  ◇急に怒り出す、固まってしまう、パニックになる

 以上、「トラウマ」について、概説しました。

 当相談室では、「トラウマ」の特性を十分に理解し配慮した上で、ご相談者との“カウンセリングとソーシャルサポート”を実践しています。

「トラウマ」を考える

引用・参考文献 : ①RISTEXプロジェクト事務局 武庫川女子大学 精神保健福祉研究室内(2020)「トラウマへの気づきを高める“人・地域・社会”によるケアシステムの構築」による発行冊子. ②ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著(2016)身体はトラウマを記録する〜脳・心・体のつながりと回復のための手法〜.紀伊國屋書店.③ベッセル・ヴァン・デア・コーク 他編(2001)トラウマティック・ストレス〜PTSDおよびトラウマ反応の臨床と研究のすべて〜.誠信書房.

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